この国の未来を考える

こんなものいらない! 諮問会議とWGの民間委員たち

自民党を倒すことは簡単ではない

本題に入る前に、まずは安倍改造内閣ですが、下げ止まらなかった支持率が少し回復したようですね。安倍応援団たちはホッとしたことでしょう。ある程度回復するだろうことは見込まれていましたから、特に驚くことではありませんけれど。
 それにしても安倍サンの低姿勢は気持ち悪いですね。とにかく、嵐が過ぎ去るのをじっと待つということなのでしょうが、国民の大半は見抜いていますよ。どこまで頑張れるか、高みの見物でもしましょう。

 

ところで、仕事人内閣などと安倍サンは言っていますが、一言ツッコミを。では、今までは仕事をしていなかったの?
 確かにそうですね。やったことは、安保法制を強行採決して戦争への道を進めたこと。特定秘密保護法や共謀罪で反対者を弾圧する態勢を整えたこと。派遣法の改正で非正規労働者の固定化を図ったこと。そしてアホノミクスでは一部の人間だけに利益をもたらしたこと、などでした。おそらく後世の人は、これらの政策?を「内閣の仕事」とは認めないでしょう。国民を苦しめ、さらには戦争被害もしくはテロへの危険を増大させた「最悪の首相」と評価されるのは間違いありません。
 でも、みなさん、忘れないでください。これは安倍サン一人がやったことではないのです。自民党と公明党と維新の議員たちが賛成したから成立したのです。野田総務相も河野外相も賛成したではありませんか!
 これで、いったい何が変わると言うのでしょう。反省するというのなら、今までやってきたことを「撤回」するのがスジではありませんか? 態度だけなら「サル」でもできる!

 

でも数字は正直です。改造前の支持率は30%を切っていましたが、もともと何があっても自民党支持が変わらない「コア」層は全体の3割程度ですから、この数字は無党派層の支持を失くしたことを意味しているのです。ですから改造後の支持率が56%近く伸びたといっても、無党派層でも心情的には自民党寄りの人々が戻っただけなのです。けれどもこの数字では選挙に「勝つ」ことはできませんし、なによりも不支持で最も多い理由が「安倍首相を信用できない」ですからね。もっとも現在の野党の状況では「負ける」こともないけれど・・・・

 

私が、今回の内閣改造に関して一番目を引いたのは下記の記事です。
「古賀・菅連合内閣」が安倍改造内閣の本質だ、後藤謙次氏が解説
    (ダイヤモンドオンラインより)

 

後藤氏の解説が正しいのかは別にして、記事に書かれている古賀誠氏の発言に、私は〝自民党の強さ〟を改めて感じました。それは、
「政権が困っているときに足を引っ張らない。それが保守本流である宏池会(岸田派)の伝統だ」
という発言です。
 この意味については様々な見解があると思いますが、私なりには、これは自民党内での一種の〝揺り戻し〟が働いたのだろうと思っています。安倍政権があまりにも右に旋回し、さらには私物化も目立ってきた。事実、古賀氏は安倍批判をしていましたからね。けれどもここで政権を倒す側に回らないというのが、保守本流と呼ばれる「宏池会」の賢さであり狡さでもあるのです。
 次を意識しているのは明らかですが、政権を取るために〝あの時は協力したのだから、次はあなただよ〟という意味ですけれど、はたして安倍サンは約束を守るのでしょうか。

 

大きな変革を嫌う傾向が日本人にはあるようです。実際に戦後の政治を辿ってみれば、いわゆる保守本流の政治家たちが、このような心情を慮りながら政策を実行してきたことは否定できません。そういう意味では安倍政権が保守政治から懸け離れていると考えてよいでしょう。
 これから自民党内で本格的な戦いが始まるのかもしれませんが、私自身は正直どうでもよいのです。しかし民進党のだらしなさを見ていると、古賀氏のような人物こそ民進党には必要ではないかと思えてなりません。
 ただ誤解しないでくださいね、古賀氏を賛美しているわけではありません。要は、このくらいの「したたかさ」がなければ自民党を倒すことなど百年経ってもできないと言いたいだけです。

 

 おまけですが、加計学園について安倍応援団が絶望的になる記事を拡散します。加計学園について問題がないという人はこの記事にきちんと反論してくださいね。

 

獣医学の重鎮が加計問題で安倍首相を一刀両断! 過剰な獣医師養成は税金の無駄遣い、地域振興のために獣医学レベル低下…
   (リテラ・2017.8.5

 

 

諮問会議・ワーキンググループの正体

 国家戦略特区というものが、如何にデタラメでまやかしあるかは報道等で見聞されてきました。しかしその中身に関しては、議事録等が全面的に開示されないので知ることができません。そう思っていた時に面白い記事を発見しました。

 

文科省は科学を蔑ろにしているのか?
(BLOGOS・石水智尚 2017.7.26

 

 石水氏は前川氏に対して批判的で、構造改革に反対する抵抗勢力の、どうしようもない官僚と捉えているようです。紹介しているものは小泉政権下での、いわゆる「規制緩和」や「新自由主義」を教育にも、という御題目で設置した教育ワーキンググループの議事録です。
 石水氏は一部を引用して論を展開していますが、あまりにお粗末で、最後に書かれている「呆れてものを言えないと思うのは私だけでしょうか」という文面を、そっくりそのままお返ししたい気分です。

 

 基本的な問題で二つだけ指摘しておきます。まずは教員養成や免許取得の〝効果〟とは何なのか。例えば、どのような教師になったら〝効果〟があったと認めるのでしょうか。そもそも教育に「市場調査のようなデーター」を求めること自体がおかしいのです。
 二つ目は、石水氏も民間委員も「教育基本法」を知らないのか読んでいないのか、それとも理解する能力がないのか・・・・。戦後、教育基本法がなぜ制定されたのか、その精神から学ぶ必要がありそうです。

 

まずは、みなさん、全文を読んでください。おバカなネトウヨくんたちでは読解力がないので「しんどい」と思いますが、まぁ頑張ってください。

 

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/wg/2005/0712/summary050712_01.pdf

 

教育界にも規制緩和や市場原理の名の下の競争が必要だ、という視点が小泉政権下で竹中平蔵氏などを中心に叫ばれていました。しかし教育者たちからの反論も大きかったと記憶しています。今から十年以上前のことですし私も関心がなかったので、実際にどういう議論がなされたのか知りませんでした。しかし今回、偶然にも知ることができたので、そういう意味では石水氏に感謝しています。けれども結論から言えば「酷い」の一言です。何が? 誰が? それは民間議員と称する連中です。とりあえず簡単に触れておきましょう。

 

抜粋です(10P)
福井委員:・・・・現に行われている養成制度や免許制度の効果測定について、実証的で科学的なものを我々は寡聞にして一度も見聞きしたことがございませんので、それは文科省の責任できちんと調べていただくべきものだと思います。

 

石水氏の引用もここから始まるのですが、引用部分の概要を整理すると委員側の指摘は以下の通りです。
1現在の教員養成制度や免許性の効果について科学的なデーターがない
2そのデーターを取るのは文科省の責任だ
3文科省が行っている政策について、どのような根拠を持って行っているのか、または、その結果についての効果をデーターとして取っていないのがおかしい

 

これに対して文科省側は、
1現在の教員養成のやり方に疑義を持つなら、まずはその根拠を示してほしい
2データーといってもどのようなものなのか具体的に示してほしい
3示せないのなら委員側から出すべきではないか

 

まず議論の前提がむちゃくちゃです。これを読んだ時、効果測定とは何を指すのか理解できませんでした。
 何事でもそうですが、一つのことを実施した時に、結果として効果があったのかどうかを調べるには基準になるものが存在しなければいけません。文中に「エビデンス」という言葉が頻繁に出てきますが、これは主に医療などで、薬を投与した際の「効果」という結果に使われる言葉です。
 例えば「抗がん剤」を投与した際の効き目を測定する場合は、癌細胞が小さくなったかどうか、さらにどの程度小さくなったのかが基準になります。そしてそれを男女や年齢、または臓器などでデーターを集積してゆくのですが、エビデンスという言葉はこれら全体を指して用いられているようです。

 

では、みなさん、教員養成や免許制度に「エビデンス」を適用できると思いますか? もし用いるのなら、効果があったのかどうかの「基準」が必要になりますよね。でも、その基準は何になるのでしょうか?
 例えば、現在の制度は〝優秀な教師〟を生み出していないとします。しかし〝優秀な教師〟とは具体的にどのような教師を指すのでしょうか?
 東大合格者をたくさん排出する先生? 野球やサッカーで輝かしい成績を残した指導者? 非行に走る少年少女を改心させた教師? 「いじめ」を解決できる先生?
 ではダメな教師とは。 生徒に性的な悪戯をする先生、すぐ殴るなどの「体罰」をする指導者、「いじめ」があっても見て見ぬふりをする教師、などなど。

 

さて、どこに基準を設けるのでしょうか。バカな私には見当がつきません。けれどもこの問題に対しては文科省の基本的な考え方が載っているのです。引用された文よりも前ですが、なぜか掲載されていません(9P)
戸渡教職員課長:・・・・教育現場に立って子どもたちと接する上で、子どもたちが被害を受けない最小限度の資質能力を養成する・・・・

 

 要するに基準などない、と言うより作れるはずがない、と言った方が正確でしょう。もし文科省が、こういう教師を養成しなさいと決めてしまったら、それは戦前の教育と同じになってしまうことが理解できないのでしょうか。
 基準がなければ〝効果を測定〟することなど不可能です。これは明らかな「無理難題」というか「いちゃもん」です。なにしろ無いものを出せと言って、不可能だからやっていないのに、それを怠慢だと罵っているのですから呆れてモノが言えなくなるのは私だけでしょうか?

 

 要するに委員たちは、学校や教師を競い合わせて、どこそこの進学校に多くの合格者を出したから、そこの教師は優秀だとして、それを数値化したいだけなのです。まさに「市場原理」の導入なのですが、おそらくこの委員たちは竹中平蔵氏の手先でしょうから、確かに考えそうなことですね。けれどもこれだけは言っておきます。少なくとも義務教育に市場原理を用いたら、それは明らかな「憲法違反」です。

 

 

 

教育基本法を理解していない「愚かな連中」

教育基本法の第十六条(教育行政)には、こう書かれています。

 

第十六条  教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。
※赤字=筆者

 

 WGの議事録では後半部分で教育委員会のことが出てきます。この中では、各都道府県や各市町村の教育委員会から、なぜデーターを取っていないのか、という「いちゃもん」が投げ付けられています。特に教職員の採用や研修、または校長が行う評価などについてとか、越境入学やフリースクールなども挙げられていました。

 

ここで民間委員たちは根本的な錯誤を犯しています。条文をもう一度読んでください。文科省と各教育委員会は仕事も役割も違うだけでなく、文科省が指導する立場でもないと明記しているではありませんか。あくまでも同等なのです。
 文科省は2で規定されているように、学習指導要領の策定や大学の教職課程の内容などの総合的なことが仕事で、教育委員会は教員の採用や研修、または学校運営などの策定するのが仕事と明確に線引きをしているのです。もし文科省が、教員の採用内容や研修成果のデーターを出してくれと言ったら、それは越権行為であり、教育行政の中立性を損なうことになることがどうして理解できないのでしょう。だいたい採用や不採用の情報はプライバシーですよ。
 民間委員たちの狙いは、各教育委員会に介入して文科省の指導下に置きたいということなのでしょう。まさしく軍国主義下の日本そのものです。

 

まぁ、そもそも自民党は「国家に都合の良い、従順な国民」を作り出して、一部の人間のためだけに働いたり、場合によっては戦争で死んでもらいたいと願っているのですから、国民の教育水準を上げたいなどと本気で思っているわけでありません。高等教育の無償化も本当の狙いがありますが、これは別の機会で書くつもりです。

 

最後に、諮問会議やWGのメンバーの正体に言及しましょう。27Pの最後の部分です。
草刈主査:・・・・・それで、私はしかるべくおたくの官庁の人に話をしに行きます。要するに私たちは生産的なことを求めて議論をしているわけで、生産性を上げようと思っている話を全部否定するのだったら、そんな議論をしてもしようがないんです。

 

 まさに「虎の威を借りて、なんとやら」ですね。自分たちの言い分が否定されたからと言って、相手の上司に告げ口をすると恫喝するとはね。「情けない」の一言ですが、世の中ではこんな人間が一番軽蔑されるのに。しかも自らの根拠も示せないくせに上から目線で一方的に議論をやめている。さらには出てきましたよ「生産性を上げる」という経済用語が。でも、これで理解できたのではないでしょうか。この委員たちにとっては「教育基本法」や「憲法の第二十三条と二十六条」こそが岩盤規制なのでしょう。要するに商売の邪魔なのです。加計学園や森友学園の問題も全てはこの流れの中あるのです。

 

正直、前川氏には同情します。この程度の連中の相手をしなければいけないとはね。私だったら怒鳴りつけていますけど。なぜなら私でも論破できる連中ですから。

 

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Author:カイトアキラ
もうすぐ老人と呼ばれる年齢になりました。
今までオートレース・ギャンブルについて書きましたが、今の日本の状況を考えると、たとえ影響力がなくても、もしかしたら若い人たちに響いてくれたら、という微かな希望を持ってブログを続けようと思います。
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