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この国の未来を考える

作られた北朝鮮危機と安倍首相 その3

拉致被害者の5人を北朝鮮に戻したらどうなっていたのか

この場合は平壌宣言に沿って国交正常化の協議・交渉に入ります。もちろんスムーズに運んだという保証はないですが、少なくとも正式なテーブルに両国が座ることだけは間違いありません。そうなれば、例えば領事館級の連絡事務所などの常駐機関が設置されるでしょう。そこには外務省職員だけでなく様々な機関の職員が在籍するはずです。その中には警察庁の人間や自衛隊の武官が入ってもおかしくないし報道機関も常駐する可能性が高い。国同士の正式な協議や交渉が始まるということは、要するに、このような人々が多く駐在できることも意味しているのです。

 

そこで、です。私が知らなかった事実を、元参議院議員の平野貞夫氏が語っていました。開始から、だいたい13分~18分ぐらいで発言しています。良かったら見てください。

 

北は攻めてくるのか/前原民進、おっとっと・・・/10.22 何が起こる? 平野・早野・鈴哲の永田町フ~ゥン録
(デモクラシータイムス・2017/9/10

 

2002年の小泉訪朝時に拉致被害者の5人が一時帰国をしましたが、再び北朝鮮に戻ることが決まっていました。しかし本来日本人であるはずの被害者が戻るのはおかしいという声が上がったのです。その時平野氏は参議院外交防衛委員会で質問をしたそうです。相手は外務省アジア局長の田中均氏でした。

 

平野氏「連れて帰った5人の国籍はどこにあるのか?」
田中氏「わかりません」
平野氏「そんなバカな話があるか。5人の国籍を明確にすることが拉致問題の基本ではないか。国籍が日本でないというのなら、引き留めることなどできないではないか」
※国籍については、まずは本人に確認するのが基本になっている。
平野氏「5人が望めばパスポートを発行して渡すべきだ」
田中氏「さっそく確認します」
※質疑の当日に確認をしたところ5人は日本国籍を望んだ。そして翌日にはパスポートを発行して渡したとのこと。
 平野氏によれば、これは出来レースの質問で、5人の帰国問題で苦慮していた当時の福田官房長官へのアシストだったと言及しています。

 

パスポートを発行していたという事実を私は知りませんでした。けれどもこれは実に重大なことです。なぜなら私は拉致されたという前提に立っていましたから、5人の国籍は当然日本であると考えていたからでした。おそらく大半の日本人もそう思っていたはずです。 しかしよくよく考えてみれば、当時の金委員長が認めて謝罪していますから問題はないのですが、国際法の観点からすれば曖昧だったのは事実なのです。要するに北朝鮮政府が拉致だとは認めない、または拉致だったとしても、北朝鮮に留まると本人たちが言えば国籍は北朝鮮になってしまうからです。ですが本人たちが日本国籍を望み、実際にパスポートを所持したことで状況が一変したのです。


 みなさんもパスポートを持っていればご存知ですよね、1ページ目になんて書いてあるか。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する」
そして日本国外務大臣と書かれたところに印が押され(もちろん印刷ですけど)、下段には同じ文面が英語で表記されています。これが何を意味するか、もう理解できると思います。パスポートを持っているということは日本人であることの証明であり、なおかつ国際法によって守られる存在でもあることです。同時に北朝鮮には国際法を遵守する義務も生じてきます。

 

ここで日本政府は、少なくとも5人が日本人である〝法的根拠〟を有したのです。これは国際法にも該当することですから、仮に北朝鮮に一時的に帰ったとしても、日本政府は5人の安全確保の要求ができます。しかも平壌に常駐機関を設置すれば面接や調査ができる可能性も高くなります。少なくとも強く要求できることは間違いありません。
 北朝鮮側は他の拉致被害者は死亡したとしていたので、確かに簡単にはいかないでしょう。しかし何事も交渉であり相手も人間ですから、会う回数が増えれば増えるほど信頼関係が築けるのはどの国でも同じはずです。要は、平壌宣言を実行するために様々な協議をする中で繰り返し行うことが大切なのです。

 

北朝鮮としては拉致が犯罪であることを承知しており、国際的な非難を浴びていることもわかっています。できれば終わりにしたいのが本音で、これ以上表面化させたくはなかったはずです。加えて朝鮮半島は儒教の影響を強く受けていますから、我々日本人が考えるよりも遥かに面子を重んじる傾向があります。ですから表面的には〝終わったこと〟にしたかった、犯罪行為を延々と交渉のテーブルに持ち出されたくはなかった。なぜなら北朝鮮の高官からすれば、それは〝恥〟以外の何ものでもないからです。それゆえに水面下の交渉が重要だったのです。そのような観点から考えると5人を帰さなかったことは、北朝鮮政府にとっては〝面子をつぶされた〟という思いだったことが容易に想像できます。

 

パスポートを持たせれば一旦戻しても帰国の要請が可能になります。この要請は日本国政府の正式なものですから反すれば外交問題となり、しかも平壌宣言には国際法の遵守が明記されてこう書かれているのです。
「・・・また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については共和国側が、再び生じることのないよう適切な措置を取る」
 この文面には〝拉致〟について一言も書かれていないので、極右などは敗北と称する人もいます。しかし日本国民の生命と安全とはっきり書かれており、北朝鮮政府は適切な処置を取ると明言している以上、拉致被害者以外に誰がいると言うのでしょうか。であれば、日本のパスポートを持った5人の生命と安全を守る義務が北朝鮮側にあるのは当然のことになるのです。これを守らなければ北朝鮮は平壌宣言を破ったことになってしまうのです。

 

もし平壌に日本の常駐機関が設置され、様々な職員が配置されて面接と調査が繰り返されたら他の拉致被害者の安否等が確認できたはずです。そして生存者がいれば、国籍の確認を取ってパスポートを発行して堂々と帰国要請をすれば良いのです。もし、この作業を繰り返すことができていたら、ひょっとして今頃は大半の拉致被害者が帰国できたのでは、と想像するのは甘い考えでしょうか。

 

もちろん北朝鮮という国家が一筋縄でいかないことは承知していますし、核開発を諦めたとも考えていません。ただ平壌宣言が維持されている限り、NPTの査察を受けなければならないし、日本からの援助の使途についての開示が要求できたはずです。
 歴史に「もし」や「たら」はないですが、もし日本の常駐機関が設置されていたら、展開はまったく違ったものなったと思えてなりません。

 

かつて旧ソ連がアフガン侵攻をした時、モスクワオリンピックのボイコットをアメリカがしました。対米従属の日本ですから当然追随したのですが、その時に故・筑紫哲也氏はこう言いました。
「なぜボイコットするのか。ソ連にアメリカの文化を伝える絶好の機会ではないか。コーラやハンバーガーやGパンを持ち込めばいい。それを見たソ連の若者たちがそれをどう感じるか、自分たちの文化に自信があるのなら、そうすべきなのだ」
 確かモスクワオリンピックから10年後ぐらいでしたかね、ソ連が崩壊したのは。その時に言われたのは、ソ連や東欧の人々は衛星放送を秘かに見ていて西側に憧れていた、というものでした。

 

日本人も平壌で同じことをやればいいのです。自分たちの政治制度や文化や報道に自信があるのなら、北朝鮮の民衆に見せつけてやればいい、どちらの国が幸せか、と。ただし政府を倒すことができるのは、その国の民衆だけだ、とも。
 でも日本という国の現状は自慢できる状態ではありませんけどね。安倍独裁が現実のものとなっているからですが、これでは北朝鮮と大差がないですね。それにしてもパスポート発行という〝大人の知恵〟を活かせなかったことが悔やまれてなりません。

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カイトアキラ

Author:カイトアキラ
2019年は強権国家への道を阻むことができた最後の年だったと、20年後や30年後に言われているかもしれません。もっともその時、日本という国家または日本人という民族が存続しているのかわからないけれど。
今夏には参院選があり、同日選も取り沙汰されています。ここで、少なくとも参院選で与野党が逆転しなければ「安倍独裁」が冗談ではなくなるでしょう。けれども野党の動向を見ていると心もとないと言うしかありません。しかし諦めたらそれで終わりです。微力ながら発言を続けていきます。

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