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作られた北朝鮮危機と安倍首相 その4

安倍晋三氏は何を破壊したのか

 帰してはならないという大合唱の中で五人を北朝鮮に戻すことは相当な勇気が必要だったでしょう。しかし当初の方針は帰す予定だったのです。その理由は、国交正常化と核開発阻止を優先したのだと思われます。
 一部の人間には、五人と何百万何千万の安全とどちらが重要か、と言い放つ人もいます。けれども答えはどちらも重要で、決して比較してはいけないのです。たとえたった一人でもその命を疎かにしてはならない。もちろん、これが理想論であることは承知していますが、そうであったとしても当時の小泉政権は、まさにこの〝理想〟を追うべきだったのではないでしょうか。

 

 五人の生命を守り、なおかつ、核開発断念までは無理だとしても停止をさせる、そして残りの拉致被害者たちをも救出する。しかし、これらのことを成し遂げるためには平壌宣言の履行が不可欠でした。けれども、そのためには五人を一度北朝鮮に戻さねばならない。苦渋の選択だったでしょう。ですが、国同士の約束や信義を守ることも極めて重要なことなのです。
 五人を北朝鮮に戻したら大きな反発を招くのは必至でした。しかし小泉首相が、もし下記のように国民に宣言したらどうだったでしょうか。
「武力以外のあらゆる方法を用いて、必ず拉致被害者を帰国させてみせる。総理大臣として国民に約束する」

 

武力を用いることは誰でもできます。けれどもそれは愚かな行為であり、そのような手段を取らず〝大人の知恵〟を絞って粘り強く交渉する。それこそが政治家の使命であり国民の望むことではないでしょうか。日本のあらゆる機関の職員を動員し、如何にして拉致被害者の安全を確保するか、如何にして取り戻すかを考えさせる。大変なことであることは間違いありません。政治家として命を賭さねばできないことでしょう。ですが、そのような政治家の覚悟こそが国家を動かすのではないでしょうか。なぜなら国家と言っても、所詮運営しているのは〝人〟なのですから。
 もちろん五人の拉致被害者や家族の不安がそれで払拭されるわけではありません。けれども小泉首相を筆頭に、他の政府関係者も〝覚悟〟を見せて対応することで信用を得られたのでは、と考えるのは私の〝甘い夢物語〟なのでしょうか?

 

しかし現実は過酷なものとなりました。蓮池透氏の証言では、当初の安倍晋三氏は五人を北朝鮮に戻す方針に与していたそうです。ですが「帰さない」の声が増大すると、自分は最初から「帰すべきではない」と主張していたと態度を変えたそうです。
 私には事実はわかりませんが、帰すべきではないという声が大きくなればなるほど、それに比例するように安倍氏のメディア露出が増えたことは事実です。そしてその言動は「帰すべきではない」から「帰さない」となり、他の拉致被害者も返さなければ「こちらにも考えがある」などと、まるで自分が首相になったかのような振る舞いをしていました。そして、北朝鮮に最も強硬な自分がいたからこそ戻さないことになったのだ、と言い放ったのです。   
 圧倒的なメディア報道で当時の私は冷静な視点を持てませんでしたが、一連の流れを見れば、言葉は悪いですが「尻馬に乗った」ことは間違いないのです。ですから拉致被害者を政治利用したという認識は正しいと考えています。

 

あれから15年が経ち、当時の状況が色々な形で報道されるようになりました。中でも特筆すべきなのは、当時の福田康夫官房長官が安倍晋三氏の言動をたしなめた、もしくは叱ったと言われていることです。小泉元首相はあまりの世論の盛り上がりに恐れをなして、安倍氏とその一派たちの言動を黙認したとも言われています。

 

真偽はわかりませんが一つだけ言えることは、安倍氏とその一派の言動が、それまで積み上げてきた外交努力と拉致被害者奪還という可能性を破壊したことでしょう。政治は結果が全てですから、2004年以降誰一人として帰国していない現状を見れば否定のしようがありません。しかも平壌宣言を潰したおかげで〝戦争の危機〟がより増しているのです。その責任が極めて大きいことは指摘するまでもないことです。

 

安倍晋三氏とその一派たちの目的は何だったのでしょうか? それは、北朝鮮という敵がいなくなっては困るのです。ナチスが用いた手法と同じで、憲法を改悪するためには、戦前のような国にするためには外敵が必要だった。

 

1990年代に入ると東西冷戦構造が崩れて旧ソ連は崩壊しました。東欧諸国もそれに続き、いわゆる共産圏と呼ばれたものが瓦解したのです。残った国で日本と関連の深いのは中国と北朝鮮ですが、当時の中国は経済面では資本主義の道をひたすら走っていました。
 日本では細川政権が生まれたり、自民党と社会党が連立政権を組むなどして、全体的にこの時代はリベラルな傾向が主流でした。しかしそれは当然です。それまでは共産主義国家が明確な敵でしたから、それがいなくってしまったのです。ですから極右や全体主義者やファシストたち、または戦前回帰の亡霊たちは、吠える相手がいなくなって途方にくれたのです。

 

けれども、旧ソ連と中国に見放された北朝鮮が核開発に乗り出したことで新たな敵になりました。安倍氏とその一派たちは狂喜したのです。なぜなら絶好の攻撃相手が誕生したからです。
 ところが、タカ派であるはずの小泉政権が訪朝という画期的な行動を起こし、こともあろうか国交正常化を成し遂げようとしたのです。このまま傍観すれば、北朝鮮憎しの最大の材料であった拉致問題も解決に向かってしまう。焦った安倍一派たちが取った行動は前述した通りです。もちろん大半のメディアもそれに乗りました。そして煽られた国民も・・・・

 

しかし冷静に考えてほしいのは拉致被害が最も発生した時の政権は自民党で、しかも北朝鮮による拉致の可能性が1980年代から指摘されていたにもかかわらず、その後も何もしなかったことです。
 確かに冷戦構造と韓国が軍事政権だったという事情はあります。けれども北朝鮮ではありませんが、当時の西ドイツと韓国の間で起きた「東ベルリン事件」のように、主権を侵される行為が発生すれば外交問題として取り扱うことはできるのです。たとえ国交がなくても第三国を交えれば外交団を送ることも可能です。しかし自民党政権は何も行動を起こしませんでした。

 

 今の20代や30代の人が知らないのは当然ですが、私からすれば、自民党政権が〝無作為〟を続けた結果が今に至っていることが間違いないのに、それを棚に上げて「全力で拉致被害者を取り戻す」とか「この国を守る」とか、いったいどの口で、どの面を下げて言うのか、と思ってしまいます。
 しかも、また安倍首相は「拉致被害者」を政治利用しようとしているではありませんか。来月にトランプ大統領が来日するそうですが、その時に一部の拉致被害者の家族と面会するとか。それ自体に異論はありませんが、けれどもトランプ大統領は北朝鮮を破滅させると公言している人ですよ。米軍が攻撃したらどうなりますか? まだ残っている拉致被害者たちの安全は? しかし選挙期間中に発表するとは・・・・本当に姑息の一言です。

 

FBなどで選挙の争点で語られることが一番多いのが「安全保障」だそうです。現在の日本にとって最大の安全保障問題が北朝鮮であることは否定しません。ですから圧力をかけるな、とは言いません。しかし圧力だけいいのでしょうか? 安倍首相は「対話は無意味」と言いましたが、北朝鮮にとっての出口を閉じたらどうなりますか? 自暴自棄になって暴発したら誰が責任を取るのですか?
 現在の状況は、安倍首相と日本会議の面々、そしてそれに纏わりつく議員たちの思惑通りになっています。この連中は、北朝鮮を敵に仕立て上げるという詐術を使って憲法を改悪し、その結果として、あのグロテスクな明治憲法下のようの国家を目論んでいるのです。みなさん、本当にこれで良いのですか?

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Author:カイトアキラ
2019年は強権国家への道を阻むことができた最後の年だったと、20年後や30年後に言われているかもしれません。もっともその時、日本という国家または日本人という民族が存続しているのかわからないけれど。
今夏には参院選があり、同日選も取り沙汰されています。ここで、少なくとも参院選で与野党が逆転しなければ「安倍独裁」が冗談ではなくなるでしょう。けれども野党の動向を見ていると心もとないと言うしかありません。しかし諦めたらそれで終わりです。微力ながら発言を続けていきます。

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