この国の未来を考える

サルでもわかる「日韓合意」が頓挫した理由

慰安婦問題の基本的なことすら知らない

安倍首相が平昌オリンピックの開会式に出席するそうですが、私が何か言及するよりも下記の記事を読んでもらった方が〝理解〟が進むと思います。

 

安倍首相の平昌五輪開会式出席のニュースを笑う
(BLOGOS 天木直人氏のブログより・124日)

 

文在寅大統領が笑う 安倍首相の「日韓合意」平昌殴り込み
(日刊ゲンダイデジタル・127日付け)

 

【平昌オリンピック出席を表明】 安倍首相は韓国に負けたのか。
Yahooニュースより、安積明子氏・124日)

 

 

 天木氏も日刊ゲンダイも、安倍首相の本質というかデタラメぶりを見事に表現しています。まぁ底の浅い人間ということはわかり切っていることですし、歴史認識という言葉を理解する能力もないことは知っていますから驚くことではありません。どうぞ出席してもらって、また恥を世界に晒してください。日本人の一人として情けない、の一言ですが不幸なことに、もうこんなことには慣れてしまいました。

 

 問題は安積明子氏です。東京新聞の望月記者に対して『嫉妬』する記事を読んだ時は、なんというか、あなたも頑張ったら、と思ったのですが、こんなことを書いているようでは無理ですね。

 

・・・慰安婦問題についての1993年の河野談話を思い出せばよい。あれは政府がいくら調査しても証拠が見つからなかったが、「認めてくれれば二度と持ちださない」という韓国側の言い分を信じたために、いまだに日本が背負わされている十字架だ・・・

 

 いったいこの人は何を言っているのか? というかデタラメが過ぎる。まず、こういう〝ウソ〟に騙されないために事実だけを列挙します。

 

19905月・盧泰愚大統領(当時)の来日に際して韓国の女性団体が「挺身隊」問題に対する謝罪と補償を求める(※この時期の韓国では挺身隊と慰安婦は同じだと考えられていた。日本も同様)
●この年の66日に参議院予算委員会の政府答弁では関与を否定している
●歴史的な事実を否定する日本政府の態度に怒った韓国の女性団体が、107日に「真の道義をそなえた民主主義国家」になることを求めた共同声明を発表。
1、日本政府は朝鮮人女性たちを従軍慰安婦として強制連行した事実を認めること
2、そのことについて公式に謝罪すること
3、蛮行のすべてをみずから明らかにすること
4、犠牲となった人々のために慰霊碑を建てること
5、生存者や遺族に補償すること
6、こうした過ちを再び繰り返さないために、歴史教育の中でこの事実を語り続けること

 

199112月、三人の韓国人元慰安婦が日本政府に謝罪と補償を求めて東京地裁に提訴。

 

1992111日の朝日新聞が、防衛庁防衛研究所図書館から日本軍の関与を示す証拠6点を吉見義明氏が発見したことを報道。
●翌日の112日、加藤紘一官房長官(当時)が日本軍の関与を認め、翌13日には謝罪の談話を発表。
117日、訪韓した宮沢喜一首相(当時)は日韓首脳会談で公式に謝罪


199384日・河野洋平内閣官房長官談話
※この談話に際し、ある程度の資料調査と韓国人元慰安婦の一部からヒアリング。ただし内容は公開していない。
(上記については、吉見義明著・岩波新書「従軍慰安婦」より抜粋しました)


※補足
19911221日、韓国政府は、従軍慰安婦の聞き取りを行った米軍公式文書を公表
199223日、防衛庁防衛研究所図書館から47点の軍の関与を示す資料が見つかる 

 

 安積氏は、政府がいくら調査しても証拠は見つからなかったとしていますが、いったい何の証拠でしょうか? おそらく強制連行を示すものと言いたいのでしょうが、河野談話では「総じて本人の意思に反して」募集・移送・管理・生活が行われたと認めているのですよ。安積氏は河野談話を読んでいないのですか?

 

 前提が崩れているのですから「認めてくれれば二度と持ちださない」という韓国側の言い分とやらも〝ウソ〟ということがはっきりします。だいたい河野談話の際に韓国政府に依頼したのは調査の協力であって何かの交渉などしていません。要するに日本政府は、補償等は日韓条約で解決済みという立場を堅持しただけなのです。だから民間での基金集めをしたではありませんか。

 

安積さん、ジャーナリストを名乗って「慰安婦問題」に言及するのなら、せめてこれくらいの知識を持ってくださいね。少なくとも吉見義明氏の「従軍慰安婦」は読むべきですよ。それをしていれば、あんなバカな記事を書くこともなかったろうに。

 

 従軍慰安婦に関しては日本人の一人として、ただただ「恥ずべき行為」だと思っています。しかしそれは過去の出来事としてだけではありません。現在の日本政府の対応、そして多くの日本人の反応こそが「恥ずべき行為」として今も進行しているからです。

 

毎日新聞の120日・21日の世論調査では、今回の韓国政府の対応に「納得できない」と答えたのが78「納得できる」6と報じていました。私は6%に入りますから、超が何個もつく少数派のようです。さらに年末の読売新聞の調査だったと思いますが、アメリカの北朝鮮攻撃を支持するか、との質問に「支持する」と回答したのが47もいたそうです。

 

まさに「お花畑の日本人」ですね、北朝鮮を攻撃したら日本に戦禍が及ぶことを想像できないのでしょうか? あまり言いたくないけれど、ここにも日本人の差別意識が根強く残っていると感じています。
 私にとってはそれも「恥ずべき行為」の一つですが、従軍慰安婦問題に関しての唯一の救いは、日本政府を追い詰めた資料を発見したのが日本人だったことです。
 ネトウヨたちや産経・読売両新聞は、元朝日新聞記者の植村氏や河野談話ばかりを攻撃していますが、なぜか宮沢政権下の出来事は素通り、さらには防衛庁防衛研究所図書館から公式文書が発見されたことも、なぜか無視。まぁ当然です、この事に言及したら元も子もなくなりますから(笑)

 

 

 

日韓合意が頓挫した理由

どういうわけか東京新聞は「従軍慰安婦問題」に関して他の報道と比べて切れ味が鈍いのですが、126日付けの「こちら特報部」は出色でした。日韓合意がなぜダメなのか、その理由を「サルでもわかる」ように解説しています。ただ東京新聞を購読していない人もいると思いますので、わかりやすく要点を整理しました。それでもネトウヨたちの脳みそでは無理だと思うけれど・・・・

 

記事のタイトルは「文大統領の主張を考える」です。
201512月・日韓合意の基本的な内容で日本側が認めたこと。
「軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた。この観点から(日本政府は)責任を痛感している」
「全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒す措置を講じる」
韓国側が認めたこと
ソウルの日本大使館前の慰安婦少女像の撤去について「解決に努力する」
※元慰安婦の支援団体の設立を前提に、この合意が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」とされた。

 

合意後の安倍首相は、朴前大統領との電話会談でこう述べています。
「元慰安婦の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみを思うと心が痛む。日本国の首相として心からおわびと反省の気持ちを表明する」
そして日本はその後、「元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復に資する、心の傷を癒すための措置、医療サービス提供」のため、支援財団に十億円を拠出した。

 

●和解ムードに水を差す代表的な言動として、20161月、自民党・桜田義孝元文科副大臣の発言がありました。
「(慰安婦は)職業としての売春婦だった」
●日韓合意と矛盾する見解を発している。
国連女性差別撤回委員会における対日審査会合で、外務省審議官が「軍や官憲による強制連行を確認できるものではない」と発言したが、それに対して委員から「政府の態度と矛盾している」と批判された。さらに、支援団体から元慰安婦への謝罪の手紙を求められた安倍首相は「毛頭考えていない」と拒否をした。

 

女性差別撤回委員会の指摘(20163月)
・日本政府の取り組みはなお不十分
・合意を実行する際は、元慰安婦の意見に十分配慮するよう求める

 

自由権規約委員会の勧告(同時期)
・日韓合意を大きな進展としつつも、人権侵害行為の調査や加害者の刑事責任の追及などは「努力がみられない」
拷問禁止委員会の勧告(20175月)
・「被害者への補償や名誉回復、再発防止策が十分とはいえない」と指摘し、合意の見直しを言及した

 

●国連が慰安婦問題に厳しい視線を送る理由は下記の通り
・慰安婦は「戦時性暴力」被害の一つ
・国際的には「人道に対する罪」に当たる(戦争犯罪と同様)
※上記した考え方の一環として、2013年・ニューヨーク州上下両院では慰安婦制度を「人道に対する罪」とする決議が採択された

 

「人道に対する罪」とは
 1998年に国連が採択した、国際刑事裁判所の設立条約(ローマ規定)で定義されたもので「性暴力」も含まれている。裁判の対象はローマ規定が発効した2002年以降の犯罪に限られる。
 だが神奈川大の阿部浩己教授(国際人権法)によれば、「国際刑事裁判所で裁判ができないということと、人道に対する罪であるということは別問題」とし、そもそも日韓合意は「問題の本質的な解決には全くつながらない」と指摘している。
 その理由として「慰安婦問題は、問題が浮上した90年代から一貫して人権問題だった。個人と国家の関係で問題が浮上したのに、国家と国家の関係で処理をしようとした。これで解決するはずがない。国際的な人権保障の枠組みで見ると日韓合意は、およそ慰安婦問題に関する『最終的かつ不可逆的な解決』にならないのは常識だ」としている。

 

上記の前提で韓国政府の方針を見ると
・国際的な人権保障の潮流を組み入れた形になっている。
・国際人権法に照らしても正しい方向。
さらに、
・日韓合意は国際法上の条約ではない。
・国際法上の義務を韓国が果たしていないとするのは間違い。
結論としては、
1、日韓合意は国際人権法に合致していない。
2、国際人権法では被害者への謝罪や補償が求められているのに日韓合意はまったく守っていない。

 

●元慰安婦の女性を支援する市民団体「日本軍『慰安婦』問題解決行動」の声明
・具体的かつ正しい事実認識の表明もないまま『反省』と『おわび』というワードが発せられた
・日本政府から「強制連行を示す資料は発見されていない」などの発言が繰り返されている
・法的責任の履行を求める被害者たちに冷や水を浴びせ続けた
・韓国政府の新方針は国際人権基準に沿った「被害者中心アプローチ」に貫かれており、日本政府に「さらなる措置」を求めているわけではない

 

 もう理解されていると思いますが、要は日本政府の方針が国際水準から懸け離れているという事実です。さらには「慰安婦は売春婦だった」とか「公娼だった」、または「当時は合法だった」などの言説は、当時の売春システムそのもの(公娼制度も含む)が「性奴隷制度」なのだという考え方を理解していない証拠でもあるのです。今の国際社会では、それはまったく通用しません。当時は合法・適法だったから何の補償も謝罪も必要ないという考え方は全否定されているのです。

 

従軍慰安婦問題の解決とは、韓国の女性団体が発した「真の道義をそなえた民主主義国家」を実現する以外にありません。国連の勧告もこの声明に沿っているのです。
 まずは「従軍慰安婦」とは何だったのか、政府ではなく国会で調査をすることを始めるべきでしょう。それが日本という国・日本人という民族の義務だと考えます。なぜなら他民族の女性を性欲処理の道具にしたのですから。

 

以前にも、たとえ50年後100年後になったとしても、日本人・日本政府は必ず公式謝罪と、自らの手によって調査することに追い込まれると書きました。ただしそれは、日本人という民族が生き残っていたらという話ですけれど。なぜなら「こんな民族」など滅亡したほうが世界のためだと、核ミサイルを撃ち込まれてしまうかもしれないからです。最近の情勢では冗談でなくなってしまったと思っています。
 オバマ前大統領からの圧力で嫌々ながら合意したことが暴露されていますが、そんな姿勢で「最終的なおかつ不可逆的な解決」とはね。情けないというか、まさしく「恥ずべき行為」と言えるでしょう。

 

 

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Author:カイトアキラ
2017年の衆院選は歴史の転換期の一つに数えられるかもしれません。それは良い意味なのか悪い意味なのか、まだ誰にもわかりません。ただ私の感覚では悪い方向へと向かっているという気持ちが強くあります。しかし決して諦めるつもりもありません。私個人のできることなどたかがしれていますが、やらないよりやった方が良いことは間違いありません。そんな気持ちで今後もブログを続けます。

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