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この国の未来を考える

2018・新潟知事選から見えたもの その2

自公が無党派層に評価されたわけではない

前回でも表示した2014年の新潟市長選の票をもう一度見てください。

2014年・新潟市長選 有権者総数=658,862 投票率:40.57
無所属・篠田 昭 95,301 (支持・推薦 民主党・社民党)
無所属・吉田孝志 88,206 (支持・推薦 自民党)
無所属・斎藤 裕 79,851 (支持・推薦 共産党)

 

民主・社民の推薦となっていますが、この中に公明票の4万票が入ったとすれば、残りの55千票の中身は何なのでしょうか? 
 これは前回でも書きましたが、民主系の右派と連合の保守系、そして自民系の一部と考えられます。そしてこの票と自民の88千票を足すと、今回の知事選での与党系候補票数に限りなく近づきます。さらに興味深いのは、公明票の4万と自民票を足すと128千票となり、この数字は2016年知事選の与党系票数に重なってくるのです。

 

2016年知事選の結果はオール与党体制の分裂が原因であろうと書きましたが、実は2014年の新潟市長選から分裂が始まっていたことは明らかでしょう。どう見ても自民VS民主の構図ですが、どういうわけか公明党は自民に協力しなかったようです。今回の知事選でも新潟の自民と公明はうまくいっていないと伝えられていましたが、どうやらそれは事実のようですね。

 

ここで再度指摘しておきますが、今回の自民党の締め付けは常軌を逸したほどの強固なものだったようです。なにしろ期日前投票を勤務中に行くことを促し、しかも親戚や知人などを含めた、実際に投票をした日付と住所までを記載させた名簿を提出させた。確かに違法ではないけれど、およそ民主主義の精神からは懸け離れた行為です。しかし・・・・そこまでして得られた票、特に新潟市ではどうだったのでしょうか?

 

もう一度市長選の数字をみてください。投票率が40%程度でも篠田氏と自民候補は18万を超えた票を取っています。ところが今回の知事選は53%を超える投票率なのに、まったく数字が伸びていない。いや、むしろ市長選より減らしているのです。けれども「反原発・反自公・反安倍」と思われる市長選の共産系候補得票数は8万近くですが、知事選では16万を超える得票を得ているのです。市長選の倍です。この数字を見れば、いわゆる無党派層と呼ばれる人々がどちらに投票したのか一目瞭然と言えるでしょう。
 では、なぜ自公支援候補が勝てたのか。それは偏に篠田市長の支援組織と公明組織がフル稼働したからです。政策が支持された、などでは決してありません。いわゆる相手の主張に「抱きついた」詐欺的手法が功を奏しただけと言って良いでしょう。

 

 

仕掛け人は篠田昭市長?

これからは私の推測です。前知事である泉田氏は2004年に初出馬しています。ただ詳しいことは知らないのですが投票状況を見ると、どうやら保守分裂選挙だったようですね。しかし2008年と2012年の二回とも75万票を集めていますから、これは共産党以外のオール与党体制が出来上がったと考えて間違いないでしょう。そして本来なら2016年も同じ体制でゆくはずだった。ところが「原発再稼働」問題が状況を変えたのです。

 

泉田氏の再稼働に対する慎重姿勢は、怪しい部分もあるけれど本心と考えていいでしょう。福島原発事故の悲惨さを見て、自民党系の官僚出身者ではあるけれど、考え方を変えたと素直に思うことにします。そして篠田市長も同じか、もしくは近い考えを持っていたのではないでしょうか。しかし連合内部には原発推進派の存在がありますから、脱原発とか廃炉と言うには難しいところもあります。けれども原発再稼働に慎重と言えば、民主系のリベラル層と社民系、そして共産系までの広範な支持を集めることができるので泉田県政の支持基盤は盤石でした。もちろん篠田市長もその中の一人ですから、その支持基盤に乗っていたことは間違いないと思います。

 

しかし東電の要望を叶えたい経産省主導の安倍官邸は、これでは困るので画策というか陰謀を始めたのです。それは泉田氏を知事から引き降ろすことでした。2014年の新潟市長選はその第一歩だったと見ていいでしょう。ところが公明党の協力を得られずに頓挫してしまった。そこで次の策として始めたのが泉田氏に対する個人攻撃です。それが新潟日報による、知事を批判する連載記事だったと私は思っています。

 

泉田氏はウンザリしたのか、それとも代替案を用意されたのか、彼は立候補を取りやめました。当時はこの判断に対して様々な憶測が生まれ、泉田氏は生命の危険があるとまで言われたのです。まぁ、今となっては安っぽい茶番劇だったことがバレていますけれど。だからなのでしょうね、泉田氏が与党系候補の支持もしなければ野党系候補の支援もしなかったのは。
 ここまでは安倍官邸の思惑通りに進みます。そして自民党主導による知事候補は、東電が心から望む再稼働を容認してくれる人でした。当選すれば、まさしく万々歳といったところでしょうか。
 ところが〝悪だくみ〟は上手くはいかないものですね。なぜなら泉田県政を支えていた篠田市長の支持基盤が、十分に動かないという想定外のことが起きたのでした。加えて公明党も鈍かったのでしょう。ある程度動いたのは連合の保守層と原発推進派だけだったようです。この辺りは下記の記事を参考にしてください。

 

[2016新潟県知事選挙]市区町村別得票率差を地図でみる 烏滸の者
   (阿修羅より 2016.10.18

 

 自民系がフル稼働しても公明票が十分に取れず、民進と連合の再稼働容認派しか動かなかった。そう考えれば2016年の得票数が納得ゆくのです。しかし同じことを今回もやれば確実に負けると考えた自民党は、もっと正確に言えば二階幹事長ですが、策士らしく篠田市長を取り込んだと推測できます。いや、もしかしたら篠田市長の方から声を掛けた?
「負けたくなかったら俺の言う通りにしてほしい、公明党は自分が説得する」
などと言ったのかも・・・・。

 

自民・公明の新潟県連の仲介は、報道では菅官房長官だとされていますが、仮にそうだとしても現場を仕切れるわけではありません。それができるのは、どう考えても篠田市長しかいないのです。
 おそらく篠田市長の願望は泉田県政のようなオール与党体制なのでしょう。しかし原発再稼働容認を掲げればそれは不可能です。なぜなら市長選での共産党系候補の獲得票数を見れば歴然としているからです。けれどもだからといって共産党とは組みたくない。なんか思い出しませんか? 民進党前代表の誰かさんを。
 要するに共産党や立憲と組むぐらいなら自民党と手を結ぶという、基本的には保守的な考えの持ち主であろうと私は推察しています。おそらく市政に於いても公明党とは折り合いがついている。ですが、そうだとしても民進の保守系や、連合の再稼働容認の人々と公明党を動かすには〝動機〟が必要になってきます。ただ公共事業やインフラ整備を約束しても説得力が乏しい。では、それはいったい何だったのか?

 

 

自民党が「脱原発」を掲げる日?

篠田市長のインタビューを再現すると(記憶だけですので要点のみ)、
記者「篠田市長は再稼働慎重派だと認識しているのですが」
篠田市長「もちろん再稼働には慎重です。ですから花角氏も検証結果が出てから判断すると言っているじゃないですか。大事なのは再稼働ではなく、原発が廃炉になる可能性もあるわけだから、その廃炉ビジネスを仕切れるのは花角氏しかいません

 

 おそらく思わず本音が出てしまったのでしょう。同時に、篠田氏なりに手応えも感じていたのだと思います。だから当確の出る前でも、あんなはっきりしたことを言った。これを聞いた時、私は負けを確信しました。なぜなら、これが「エサ」だったのかと思ったからでした。

 

 正直、すでに東京―新潟間には新幹線も高速道路もあるし、新幹線を北陸から新潟に伸ばしたところで人口減の状態では、余程の観光客が来なければ採算が取れるはずがありません。その他のインフラ整備にしても人口増加が望めない限り意味のあることとは思えない。しかも現段階で用地買収が進んでいるならまだしも、これからやるのでは新潟の景気に反映するのはだいぶ先のことになるのです。

 

 おそらく建設土木業界の人たちだって、そんなことは理解していると思います。確かに自公系の知事が誕生すれば、それなりに公共事業が増えるのは事実でしょう。けれどもそれはここ数年の話だけで、1020年先を考えた時、新潟の建設土木業界に明るい未来があるとは決して思えません。けれどもそこに「廃炉事業」という名の新たな〝公共事業〟が芽生えるとしたら・・・・。
 私も建設業界にいたのでわかるのです。原発の廃炉を担うのは間違いなく建設土木に携わる人々ですし、ある意味50年単位の仕事になりますから、今現在40代の経営者からすれば垂涎の的になるでしょう。さらには解体した廃棄物を運搬するのは運輸業者ですから、これも膨大な仕事になることが予測されます。

 

篠田市長の〝囁き〟が聞こえてきそうです。
「もし再稼働したとしても、形の上では安倍政権から、無理矢理押しつけられたとすればいい。その場合は今以上の補助金を要求できる」
「現実的には新潟県民が再稼働を容認するとは思えない。それに安倍政権が二年後三年後まで続いているかどうかもわからない。今は経産省が官邸を握っているけれど、廃炉が現実となったら、それを仕切れるのは国土交通省しかない。その時に国土交通省出身の知事がいなかったらどうするのか。野党系の知事では何もできないぞ」
「幸か不幸か新潟には原発がある。どっちに転んだとしても、それを活用しない限り新潟は21世紀に生き残っていけない」

 

 もちろん私の想像ですからね(^-^) でも建設土木業界や運送業界からすれば、もしこう言われたら相当な説得力をもって響くと思います。なぜなら廃炉ビジネスという利権構造が確立されるからで、業者からすれば、そこに入れるかどうかは死活問題になるからです。
 私は、篠田市長は本気ではないかと考えています。同時に自民党内では廃炉ビジネスに対する利権の争いが始まっている、とも思っています。そうです、安倍以後を睨んで・・・・

 

 もう一つ指摘しておきます。安倍政権の国交省大臣はどこの政党ですか? ご存知の通り公明党です。もうおわかりですね、二階幹事長と公明党の国交省ラインが完成しているのです。公明党も廃炉ビジネスに関わりたいのがミエミエですが。
 もう公明党はかつての政党ではなくなりました。なぜ国交省大臣のポストを取り続けているのか? それはみなさんの御想像に任せますが、はっきり言えるのは〝利権構造〟にたっぷりと浸かっていることは間違いないでしょう。ですから公明党は何があっても与党の座から降りることはない。だから佐高信氏は「公明党には仏罰を!」と言っているのです。

 

当たるかどうかは別にして来年の参議院選で、もしかしたら「脱原発」を自民党が言い出すかもしれません。選挙で勝てないとなったら〝何でもあり〟の政党ですから「脱原発」で抱きついてくるかもしれないのです。巷ではこれを〝抱きつき詐欺〟と呼んでいるそうですよ。でも騙されではいけません。それは廃炉ビジネスという利権のためなのです。
 人には、実利があれば思想や信条など簡単に変えてしまう傾向があります。逆に言えば、実利がなければ人は動かない。ただし実利とは「お金」だけではないのです。安全や平和に暮らすことも本当は実利なのですが・・・・。

 

 

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Author:カイトアキラ
2017年の衆院選は歴史の転換期の一つに数えられるかもしれません。それは良い意味なのか悪い意味なのか、まだ誰にもわかりません。ただ私の感覚では悪い方向へと向かっているという気持ちが強くあります。しかし決して諦めるつもりもありません。私個人のできることなどたかがしれていますが、やらないよりやった方が良いことは間違いありません。そんな気持ちで今後もブログを続けます。

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