この国の未来を考える

中国が攻めてくるって、本当?

参議院選挙まで、あと少しです。
私はテレビを全く見ないので知りませんでしたが、ネットなどで指摘されているのは選挙に関する番組がほとんどないとか。東京新聞でも報じられていましたが、最大の理由は視聴率が取れないから、ということらしいです。真偽はわかりませんが、この国のテレビ局の実態をよく表している現象だと思います。

選挙前にどうしても書いておきたいことがあります。内容はタイトルの通りですが、「安全保障環境が厳しくなった」という理由づけの最大のものが〝中国の脅威〟になっているからです。
ある作家が沖縄に関して「島の一つでも取られてみないとわからないようだ」と、無神経・無定見な発言をしていました。いわゆるネトウヨと呼ばれる人たちも、中国の脅威を真しやかに言っています。でも、本当なのでしょうか?


ソ連脅威論の嘘

結論から言います。中国の軍隊が日本を攻撃することは、万に一つもありません。
その根拠を書く前に簡単に触れたいことがあります。それは1970年代にあった「ソ連脅威論」です。
特に言われたのが〝ソ連の北海道侵攻〟でした。確かに当時は冷戦の最中ですし、ミグ戦闘機が年中行事のように領空侵犯を繰り返していました。何よりも最大の根拠は、第二次大戦末期のどさくさに北方四島を火事場泥棒のように占領した「前科」があるからでした。
当時高校生だった私がこの脅威論に影響されるのも当然です。けれども、ふと思ったことがありました。

なぜ米軍基地が北海道にないのだろう?

この理由が解けたのは数十年後になりました。ソ連の崩壊とアメリカ公文書の開示によって、当時のソ連政府と軍部は日本を含むアジアには興味がなかったこと。さらには北海道を軍事侵攻する装備能力もなかったことが判明したのです。
アメリカはかなり早い段階で知っていたらしく、そうであれば1950年代に北海道から米軍基地がなくなったのも理解できます。当然日本政府にも情報が伝えられたはずですが、どういうわけか「ソ連脅威論」は一向に収まりませんでした。
なぜでしょうか? 
最大の理由はアメリカの意向だと思っています。それは武器を買ってもらうため。だから「ソ連脅威論」にもアメリカは口を噤んでいたのでしょう。

当時よく言われた〝侵攻〟の根拠が二つありました。「領土的野心」と「膨張主義」です。最近も、よくこの言葉を聞きませんか? 
しかし、こんな抽象的な言葉に意味があるとは思えません。最も大事なことは、ソ連が北海道に侵攻してどういうメリットがあるのか、ではないでしょうか。けれども、この疑問を解き明かしてくれる指摘に出会うことはありませんでした。

だいぶ大人になってから軍事史をそれなりに知ったおかげで、ソ連の北海道侵攻が如何に荒唐無稽かを理解しました。考えてみれば簡単なことです。北洋海域は世界でも有数の荒れる(天候不順も含めて)海です。特に冬季では艦船であっても航行が厳しくなるので、そんな海を何千・何万の兵士や兵器を運ばなければならないのです。さらには侵攻がうまくできたとしてもその後の補給がありますから、どれだけの装備と費用が必要になるか。まさか食料や弾薬など、旧日本軍のように全部現地調達をするから大丈夫、なんて言ったら笑い者になるでしょう。

何度も書いていますが地上戦は、どんなに兵器が優れていても犠牲者が必ず出ます。陸続きならともかく、そんな危険な海を渡って、さらには言語も理解できない不慣れな土地で戦闘を行うのです。優れた軍人であればあるほど、北海道侵攻が机上の空論であることをすぐに理解するはずです。
さらには政府(ソ連共産党)にとっては、それだけの代償を払っても得る利益があるのなら考えるかもしれません。しかし北海道を占領したところで、いったい何の利益があるのでしょうか?


中国脅威論の実相

このような前提に立って〝中国脅威論〟を考えてみてください。
中国が、日本の一部を攻撃する・占領する「メリット」とはいったい何なのか中国脅威論を言う人たちは、まずはこの「メリット」を事実として説明しなければいけないはずです。でも、できるはずがありません。できることは「領土的野心」や「膨張主義」、最近では「価値観を共有しない国」というのもありましたが、それらの虚しい言葉を並べるのが関の山でしょう。なぜなら具体的な「メリット」など存在しないからです。

●喉から手の出るような資源が日本にありますか? 
●第二次大戦後のソ連のように日本の科学者を連行しますか?
●それとも日本人を奴隷化しようとしているのでしょうか?
愚かな妄想・空想はいりません。

現実として考えてください。
戦闘行為には莫大な経費が必要です。もし失敗したら、その穴埋めはどうするのでしょうか? さらには空爆だけなら死傷者の出ない可能性もありますが、地上戦ではまずあり得ないので人民解放軍兵士からも犠牲が出るでしょう。その場合、民衆の不満が爆発することは容易に想像できます。
失敗し、何のメリットもなく、死傷者も出た。こんな状況になったら、たとえ一党独裁の共産党でも政権を維持するのは難しくなります。そんなリスクを冒すと思いますか?


なぜ日本は侵略されなかったか?

日本列島の長い歴史の中で、なぜ大和民族は他民族や他国の支配を受けなかったのでしょうか。その理由はたった一つです。四方が海に囲まれているからです。それは21世紀の現在でも変わりありません。
確かに、航空機やミサイルの発達で攻撃自体は容易にできるようになりました。けれども占領や統治といった支配を行うのは人間です。それには海を渡らねばならない。5000人や1万人の人間を運ぶのにどれだけの艦船が必要になると思いますか? さらには運んでいる間に攻撃されないためには戦闘機も必要です。これだけでも、海に囲まれた土地を支配することが如何に大変か、理解できると思います。
それは小さな島でも変わりありません。占領すること自体は簡単かもしれませんが、支配を維持するためには弾薬や物資、そして人間を運ばねばならず、滑走路や港の整備も当然必要でしょう。それらを防御するために多くの兵器や兵士が必要になるのですから、どう考えても割に合わないと思いませんか?


軍隊同士の戦争の時代でない 

21世紀の今日、国と国とが戦う(軍隊同士)可能性は限りなく低くなっているのは間違いないでしょう。基本的には第二次大戦が最後といって良いと思います。しかし同時に、国(軍隊)対ゲリラやテロ、言い換えれば一般民衆との戦いが芽生えた大戦でもありました。その一番良い例が、旧日本軍と八路軍(抗日ゲリラ)です。それはベトナム戦争にも繫がり、イラク戦争にもその姿を表しています。
軍隊同士の戦争は、もう終わったというべきでしょう。21世紀の戦争は、いまやテロリズムなのです。その〝脅威〟の前には、軍隊でさえも無力化しているのが現実なのです。

中国軍と自衛隊が国の存亡を賭けて戦うことなど、現実を冷静に見ればあるはずがないと理解できるはずです。あるのは、軍事力を背景としての〝交渉〟という戦争、言い換えれば21世紀の経済侵略〟だと思います。その一例がTTPです。

保守派もリベラルも、なぜ指摘しないのか不思議です。中国共産党が目指しているのは「アメリカのような国になること」ではないでしょうか。
そのうち脅威を煽った人たちが仰天することが起きるのでは、と私は思っています。それは中国がアメリカから兵器を買うことです。そして日本は、この二大大国の属国として生きればよいと宣告される日が来るかもしれません。


繰り返し書きます。安倍政権や取り巻きの〝嘘〟には騙されないでください。
仮に、尖閣諸島で小規模な戦闘行為が起きた場合、中国共産党にとっては負けが許されないのです。戦闘を始めたら勝たない限り、国民の不満を抑えることができないからです。しかし安倍首相にとってはどうでしょうか。勝っても負けても「やはり中国の脅威はあった」と証明したことになってしまうのです。だから〝煽る〟のですね。

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Author:カイトアキラ
もうすぐ老人と呼ばれる年齢になりました。
今までオートレース・ギャンブルについて書きましたが、今の日本の状況を考えると、たとえ影響力がなくても、もしかしたら若い人たちに響いてくれたら、という微かな希望を持ってブログを続けようと思います。
偏っていると感じるかもしれませんが、私は個人ですので、ご了承の程をお願いします。

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