この国の未来を考える

沖縄にとっての自衛隊とは?

軍隊が国民を守るという幻想

 アメリカが北朝鮮を攻撃するのでは、という緊張感が高まっています。確かに、あのトランプ大統領ではその可能性は否定できないでしょう。そしてそれに呼応するかのように「先制攻撃論」が自民党から出てきました。愚かな、という言葉しかみつかりません。
 この件に関しては色々な議論があるので触れませんが、一つだけ言えることは、もしアメリカが攻撃をすれば、間違いなく日本も北朝鮮から攻撃を受けることです。米軍基地だけが狙われるなんてとんでもない。最初から東京にミサイルを撃ち込まれるでしょう。
 ところがこの国の首相は、そのような危険性を回避するどころか煽っているのです。そして「ミサイルから国民を守る」などと平然とウソを言っている。ある程度軍事を知っている者なら、北朝鮮からのミサイルを迎撃する能力を現段階で自衛隊が持っていないことは周知なのに。

 

 アジア系の乗客を旅客機から引きずり降ろす国の大統領ですから、朝鮮半島の人々や日本人が数千人・数万人死んでも関係ないと思っているのでしょう。そんな差別主義者にポチのごとく追随している日本の首相。まぁ攻撃するとは本気で思っていないのでしょうが、もし戦闘が起きた場合の結果を考えれば必死になって止めるべきなのですが。


 戦争という名の武力衝突が起きれば、必ず誰かが死に、必ず何かが破壊される。けれども一億人を救うための行為なのだ、だから数千人や数万人程度の犠牲は仕方がないのだ、という論理があります。しかし私は問いたい。では、その数千人や数万人は誰が決めるのか。
 いち早く情報をもらえる政治家や高級官僚はシェルターに逃げ込めるし、そもそも、その情報をもたらすのは自衛隊ですから、これらの人々はある意味安全とも言えます。でも一般の国民は? 
 冷静に考えれば中学生でもわかることです。国民を守るということは如何なる理由があっても「戦闘行為を回避する」こと、それに尽きるのです。しかし反撃しなかったら殺されるだけではないか、という理屈があるのも承知しています。けれども私が言う「戦闘行為の回避」とは、攻撃される理由を作らない、または友好ではなくても対立関係にはならないという意味です。そのような考え方をすれば、そもそも「軍隊」という存在は極力少ない方が良いのです。強大になればなるほど軍隊は、むしろ国民を危険に晒すと言っても過言ではありません。

 

 

自衛隊が駐屯すれば婦女暴行が起きるのか?

 先月のことですが「自衛隊を配備すると婦女暴行事件が起きる」と宮古島の女性市議がFacebookで書き、それがネットで炎上して、市議は謝罪と撤回をしました。しかしそれでは収まらず議会は辞職勧告をしましたが、女性市議は拒否をしました。しかし議会での質問をさせてもらえないなどの「イジメ」にあっているようです。

 

 文言が少しセンセーショナルだったことは確かですが、では女性市議の投稿は間違っていたのでしょうか。結論から言えば女性市議の、ただの勉強不足です。確かに軍隊という組織は暴力装置としての部分もありますが、だからと言って隊員が婦女暴行事件を起こす根拠にはなりません。しかし軍隊が「侵略軍」であれば話は別なのです。私が勉強不足と書いた理由は、まさにこれです。

 

 「侵略軍」とは、他国の領土に侵入した軍隊または武力組織と規定して良いでしょう。他国を他民族に置き換えても構いません。この場合の侵略軍は存在そのものが違法ですが、侵略の目的にどのような美辞麗句を並べても、その正当性は一かけらもありません。もっとも身近な例が中国大陸における旧日本軍です。またはベトナムにおけるアメリカもそうです。

 

 「侵略軍の性格」とは略奪・虐殺・強姦に象徴されるように、他国の人々や他民族を支配下において好き勝手なことをやることです。そして特徴的なのは、ほとんどが罪に問われず、問われる時は立場が逆転した場合のみ。さらに悲しむべき事実は侵略軍の兵士たちも、実はその国では虐げられている階層の出身者が多いことです。
 それらを如実に表していたのが旧日本軍でした。現地調達主義の旧日本軍は各地で食料などを略奪・強奪し、さらにはあまりに強姦が多いので従軍慰安婦を生み出す原因にもなりました。

 では同じ軍隊でも人民解放軍の前身であった「八路軍」はどうだったのでしょうか。ここに侵略軍と、それに対抗する自衛軍の関係をよく表している事例があります。

 

日本の旧軍人の中には、いまでも「日本は米軍には負けたが、中国には負けていなかった」なんて思ってるのがかなり多いね。だから一般の日本人にもそう信じている人が多いようだが、とんでもないことだよ。人民軍の強さってものを知らないんだねぇ。われわれ第五十九師団の経験からいっても、これは全くどうしようもない事実だった。なにしろ総力をあげても、日本軍一個大隊を独立して駐屯させることもできなかった。あの調子じゃ、あと一年ももちこたえることもできなかったと思うよ◆ 朝日文庫・天皇の軍隊、あとがきより引用

 

 これは八路軍討伐のために編成された、支那派遣軍北支那方面軍第十二軍五十九師団・通称「衣」師団の師団長だった藤田茂氏の回想です。
 この本の中には旧日本軍と中国民衆の関係も書かれていますが、例えば旧日本軍の部隊が掃討作戦に出ても八路軍(後の人民解放軍)に通報されて全滅してしまうとか、駐屯地に強制的に駆り出されていた農民たちによって基地の情報や人数や名前までもが流されていたとか。
 要は、八路軍は中国民衆の絶対的な支持があったことが理解できます。しかし、もし八路軍の兵士たちが略奪や虐殺や強姦などをしていたら、このような協力を得ることができたでしょうか。

 

 ここで考えて欲しいのは、沖縄にとっての自衛隊とは「侵略軍」なのか、または守ってくれる「自衛軍」なのか、ということです。
 先の戦争で唯一の地上戦が行われた沖縄。その時の旧日本軍の行動は自衛軍とは言えない行動でした。そもそも琉球諸島の文化と大和文化は違うのに〝琉球処分〟という名で植民地にしたのです。これは侵略以外の何ものでもありません。
 現在の自衛隊は旧日本軍とは違うとは思います。しかし今の沖縄の状況を考えれば、本当に沖縄の人々を守る存在なのか疑問を持たざるを得ません。なにしろ「土人」発言が示す通り、沖縄に対する差別意識が根強く残っているのですから。

 女性市議はこう書くべきでした。「自衛隊は宮古島にとって侵略軍かもしれない。ならば婦女暴行が必ず起きる」と。

 

 

自衛隊の島嶼防衛は税金の無駄遣い?

 田岡俊次という軍事評論家がいます。元朝日新聞編集委員で、入社以来から防衛省を担当した軍事のスペシャリストと言ってもいい人です。
 軍事に関して私は田岡氏の解説を一番信用しています。その理由は極めて明快で、左翼や右翼やリベラルや保守という思想には一切囚われず、軍事として目的を遂行できるかどうか、という現実主義に根差しているからです。ある意味「軍事オタク」でもありますが、旧日本軍の無謀な軍事行動を見れば理解できるように、現実的に不可能な軍事作戦を行うことほど愚かなことはありません。ですから田岡氏の論理は現実に即して実証的です。加えて信用するもう一つの理由は、彼の言説にまともに反論した記事を見たこともないからです。本来なら、このような人物が防衛大臣を勤めるべきではないかと思うぐらいです。
 その田岡氏が島嶼防衛に関して発言しているのが下記の記事です。

 

軍事評論家・田岡俊次が語る自衛隊の現実「幹部たちも『戦争』を知らない」

 

記事を要約すると以下の通りです。
❶戦争を現実的に考えないで、組織の自衛と予算確保を目指すために非合理な戦略と政策が生まれる
❷島嶼防衛の基本は制空権にあるので、宮古島に陸上自衛隊の部隊を置いても何の意味もない
❸水陸機動団は玉砕部隊だ
❹宮古島にミサイル部隊を置けば攻撃される危険性はむしろ高まる


 詳細は読んでもらうとして私の考えを簡単に加えます。まずは中国が宮古島を含めた沖縄諸島に侵攻することなどあり得ない。この理由は以前にも書いたので繰り返しません。さらには現代の戦闘は制空権が全てなのです。いや、太平洋戦争の時からそうなのです。制空権と制海権を失った日本がどうなりましたか?

 もし宮古島に100機以上の戦闘機を配備するといのうなら、まぁ戦略的には理解できるけれど、ただしその場合は中国と敵対するというシグナルになります。さらに下記の記事を付け加えます。

 

沖縄近海でエスカレートする日中の演習  自衛隊の「島嶼防衛」は予算獲得のネタ

 

 この記事の補則です。制空権と制海権を失った日本軍のために宮古島は猛烈な飢餓に襲われました。さらに言えば、陸上自衛隊の大半の部隊は〝無用の長物〟です。特に四方を海に囲まれている日本では制空権が全てですから、それを維持するためには戦闘機がもっとも重要なのです。ですから海外に派兵しない限り、戦車や装甲車などの部隊は必要ありません。
 現在の日本で陸上部隊が必要なのは原発施設の警備や、警察では手に負えない武力組織の鎮圧、さらには化学兵器への対処ぐらいでしょう。治安は警察の仕事ですから自衛隊がやるべきではない。災害派遣での陸上自衛隊の必要性を言われますが、効率を考えれば、専門の災害救助隊を創設した方がより効果的だと考えます。

 

 

女性市議がやるべきこと

 まずは配備賛成派の無知を知らしめるために田岡氏に講演を頼んだらいかかですか? できれば討論させればいい。簡単に論破してくれますよ。
 女性市議のやるべきことは、まずは監視です。島の経済が活性化するなど戯言に過ぎません。自衛隊基地のある各地でそのような現象が起きましたか? 

 私が懸念するのは自衛隊基地に出入りする業者との癒着です。賛成議員と業者、しっかり監視しましょう。同時に宮古島にとって、もっとも良い活性化とは何か、島民たちと真摯に語り合ってください。一言助言するとすれば、宮古島にしかないものは、という視点が重要になるでしょう。
 沖縄本島でも、米軍基地を撤退させたほうが経済の活性化に繋がると言われていますし、事実、米軍跡地での経済効果は基地の比ではありません。それらを見れば自衛隊配備は何も生まず、むしろマイナスの方が大きいと言えるのではありませんか?

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Author:カイトアキラ
もうすぐ老人と呼ばれる年齢になりました。
今までオートレース・ギャンブルについて書きましたが、今の日本の状況を考えると、たとえ影響力がなくても、もしかしたら若い人たちに響いてくれたら、という微かな希望を持ってブログを続けようと思います。
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