この国の未来を考える

北朝鮮は悪で日米は正義という構図は本当か?

戦争はいつも些細なことから始まる。それは歴史が証明している

 原子力空母「カールビンソン」を中心とした米海軍の第1空母打撃群は、沖縄近海にて海上自衛隊との共同訓練を終えて、昨日(429日)に対馬海峡を通過して日本海に入ったとの報道がありました。途中、航空自衛隊の戦闘機2機と訓練をしたことも報じられています。当初の報道では、米空母艦隊と自衛隊は日本海にて訓練を行うとありましたが、その相手はどうも韓国軍のようです。北朝鮮に対する示威行為のための訓練なのか、それとも以前から決まっていたことなのか、それはわかりませんが、日本の報道はいったい何だったのでしょう。

 

 しかし当然と言えば当然なのです。もし米海軍と自衛隊が日本海で訓練を行えば明らかな挑発行為になりますが、韓国軍との訓練であれば従来から実施されているので、改めて驚くことではありません。
 これは私の推測ですが、安倍政権は日本海での訓練を望んだけれど米側が容認しなかった、と考えています。その理由は、不測の事態が起きる可能性が否定できないことと、戦争に対するリアリティの違いがあると思います。思惑はどうあれ、実際に戦闘が起きた場合の現実感に開きがあるのではないでしょうか。

 

 私が心配していたのは、もし日本海で共同訓練を行えば、先制攻撃されたと日米が「でっちあげ」をしないかということでした。歴史を紐解けば、だいたい戦争(侵略)をしたがる側が「でっち上げ」を行っているからです。例えばベトナムでのトンキン湾事件、または中国における旧日本軍。でも、どうやら杞憂に終わってほっとしています。と言ってもトランプ大統領が〝そうしない〟という保障はありませんが。

 

 もし日本海で米軍と自衛隊が共同訓練を実施したら北朝鮮を相当刺激します。米軍や自衛隊も大きな緊張を強いられますから些細なミスが起きる可能性も高まりますが、今のところ米軍には攻撃の意図がなさそうですから戦闘にはならないでしょう。けれども、むしろ危険なのは安倍首相のほうではないかと考えています。

 

 ここで北朝鮮が「悪」で日米が「正義」という構図が問われるのです。イラク戦争は『大量破壊兵器が存在する』と言って攻撃しましたが、ふたを開けてみたら、これも「でっち上げ」でした。
 常識的に考えれば先制攻撃を北朝鮮がする可能性は極めて低いと言えます。なぜなら攻撃した時点で滅亡が確定するからです。北朝鮮の瀬戸際外交は有名ですが、この国の目的は、とにかく核保有を認めさせて現体制のまま生きながらえることですから、相当追い込まれない限り先に手を出すことはありません。これは多くの専門家が言及していることです。であれば、なぜ、ここまで「脅威」とやらを煽るのでしょうか?

 

 安倍首相が本気で戦争を考えているかどうかはわかりませんが、どこかで望んでいないかと思えてならないのです。その理由は日頃の言動もありますが、もしかすると、攻撃を受ければ甚大な被害が出てしまうとしても、同時に『北朝鮮憎し』という理由で大多数の国民が戦争を支持してくれる、と信じ込んでいるような気がするからです。そしてそうなれば一気に軍事独裁国家へと向かうことができる。そうなれば憲法改正どころかやりたい放題になるので、安倍首相にとっては極めて魅力的な選択でもあるのです。国民にとっては、これほど迷惑な話はないけれど・・・・

 

 しかし現実にそうなった場合、本当にそうなるのか私自身は疑問に思っています。なぜなら数千人・数万人もしくは数十万人、もしかしたら百万の単位で死亡者や負傷者が出たならば、何がなんでも北朝鮮をやっつけろ! という空気よりも、痛ましさと哀しみで覆われる可能性の方が大きいのではないかと思えるからです。そしてもしそうなれば、なぜこんなことになってしまったのかと、日本人はようやく気づくのではないでしょうか。そんな現実が決して訪れないことを望んでいるけれど。

 

 みなさん、想像してください。一度や二度はシリアやイラクの映像に接したことがあるでしょう。戦闘が起きれば日本も間違いなく同じ光景になるのです。自分だけは助かるなんて、そんな甘い話ではない。バカなネトウヨたちは、自分だけは助かるとか、そうなる前にアメリカが潰してくれると信じているようだけれど、なんと愚かで間抜けな発想でしょうか。

 

 

核を保有している国に正当性はあるのか?

 核を持っている国が、核を持っていない国もしくは持っているらしい国に対して、廃棄しろと要求することは、普通に考えて正当性があるとは思えません。むしろ、こんな身勝手で独りよがりな要求はないと言えるでしょう。

 

 何かに置き換えてわかりやすく解説します。もしフェラーリを持っている家が、同じフェラーリを持とうとしている隣家に対して、お宅はスピードを出し過ぎて危険な運転をする可能性があるから持ってはダメだ、言うことを聞かないのなら家ごと潰してやるぞ、と脅迫しているようなものです。しかも今回の場合は隣家ではなく、通りが三つも四つも離れている大邸宅から言ってきている。この場合の隣家とは日本ですが、この大邸宅にコバンザメのごとく張り付いて、一緒になって「潰すぞ!」と脅しているのです。

 

 北朝鮮の言い分は、イラクやリビアは核を持っていなかったから潰された、というものですが、これに正当性があるかは判断できません。けれども確かなことは、イラクとリビアとも、アメリカによってぐちゃぐちゃにされた事実は誰にも否定できないことです。

 

 核を持っている国が廃棄を要求するなら、少なくとも自らも廃棄することを条件にしなければ説得力はありません。自分は捨てずに、脅迫するための道具として持ち続けるのならエゴ以外の何ものでもない。そんな身勝手な話に耳を傾ける人間や国があるとは思えないのです。
 もちろん北朝鮮に正義があるなどと言うつもりはありません。私の考えは、米も北もどちらも悪です。その理由は『核を保有している』から。さらに加えれば、アメリカは建国以来終始一貫して他国や他民族を侵略してきた国で、北朝鮮は拉致という人権無視の非道を犯した国だということです。ちなみに明治憲法下の日本は両方を犯しましたが。



被害を受けるのは、いつの時代でも『庶民』だ!

 両方とも「悪」なのは間違いないけれど、誤解してほしくないのは、あくまでも政府・政権または支配層の人間たちが「悪」という意味です。私を含めた庶民たちは、アメリカであっても北朝鮮であっても日本であっても「悪」ではない。なぜなら庶民たちはいつの世でも犠牲者だからです。仮に核戦争になっても、安倍首相やその取り巻き連中は助かる可能性が高く、それは北でもアメリカでも同じです。だからこそ、どの国であれ、こんな連中の勝手を許してはいけないのです。

 

 日本人は肝に命じなければいけません。もし戦争になった場合の北朝鮮は、日本にだけは屈服したくないと考えるでしょう。それは、もしかしたら庶民レベルまでそうなるかもしれない。なぜなら朝鮮半島での日本の仕打ちを振り返れば、同じ目に遭うのは死んでもごめんだ、と思うのは当然だからです。滅びると確信したら『死なばもろとも』になり、間違いなく道連れにされるでしょう。北朝鮮は「悪」で日米は「善」という構図に、日本人はもっと懐疑的になるべきです

 

 北朝鮮に対する憎悪が形成されたのは拉致事件の影響が大きいでしょう。この件については色々と考えることがあるので、また別の機会で書きますが、多くの日本人が忘れていることがあります。
 拉致事件が発生したときの政権は自民党でした。そして警察は、早い段階から北朝鮮の工作員の仕業であることを把握していました。さらに国会で事件を最初に取り上げたのは共産党です。これは産経新聞ですら認めていることですが、この事件が表面化した時でも自民党政権は具体的な行動を起こしませんでした。
 もう一度考えるべきは、ここまで長引かせて複雑にしたのは誰か、ということです。さらに言えば、北朝鮮の権力者が命じた行為であり、それに対して日本の権力者たちは何をしたのか、それとも何もしなかったのか。それを問わねばこの問題は一歩も進まないのです。しかし、ここでも同じ構図があります。被害に遭ったのは日本の『庶民』であり、実行犯となったのは、命令に背けば殺されてしまう北朝鮮の『庶民』だという事実です。

 

 

追記
 このブログにリンクしている「祖父の証言 戦争と従軍慰安婦」というサイトの証言者である『根本長寿氏』が426日に永眠されました。享年97歳という、名前の通りの大往生でした。私自身はお会いしたことはありませんが、お孫さんである根本太氏の問いかけに対して、さぞかし話しづらかったとは思いますが、真摯に証言したその心情に頭が下がります。
 中曽根内閣時代の官房長官だった後藤田正晴氏が後年の回想で述べていることがあります。それは、内務官僚だった後藤田氏は敗戦後、戦犯容疑の選別をする仕事をGHQから命じられたのですが、その際に数多くの軍人、特に幹部だった人々が、なんとか自分だけは見逃してくれと頼み込んできたそうです。その姿を見て軍人嫌いになったと記しています。
 幹部の軍人たちで敗戦時に自決した人はごく少数です。戦後は何食わぬ顔をして生きながらえたのです。しかしB級戦犯に問われて処刑された多くの人は下士官や兵卒で、その大半は農村や貧しい家の出身者でした。ここでも『庶民』が犠牲になったのです。
 根本長寿氏も庶民の一人です。しかし彼こそ真の愛国者でしょう。加害の事実を語ることは誰しもが苦痛です。けれども、二度と同じ過ちを繰り返してはいけないという痛切な思いから、加害の証言をしたのは大半が庶民出身の兵士たちでした。彼らこそ「真の愛国者であり英雄だ」と私は思っています。
 根本太氏によれば、眠るように亡くなったとメールに書かれていました。その言葉は私の救いでもあります。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌

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Author:カイトアキラ
もうすぐ老人と呼ばれる年齢になりました。
今までオートレース・ギャンブルについて書きましたが、今の日本の状況を考えると、たとえ影響力がなくても、もしかしたら若い人たちに響いてくれたら、という微かな希望を持ってブログを続けようと思います。
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